食用としての卵

さて昨日に続いて卵・玉子の話です。
皆さんの食卓に何気なく並んでいる卵・玉子料理。
日本人は卵を年に329個食べているそうです。
ほぼ1日1個ですね。卵消費量はメキシコ、マレーシアについで世界第3位だそうです。
そんな背景から卵は古くから庶民に親しまれる食材だったかと思いがちですが、実は違うのです!

日本の卵の歴史をひも解いてみましょう!
794年~の平安時代に伝えられた『日本霊異記』には、
「鳥の卵を食べると悪いこと(祟り)が起きる」などといった記述が残っており
たまごは食用ではなかったことが伺い知れます。

もともと仏教においては、たまごを食べること=殺生とされていました。
事実、江戸時代より前の文献には、
「たまごを食べた」という記録があまり残されていません。
それほど卵食は“罪”だったのです。
675(天武天皇4)年、天武天皇が牛、馬、犬、猿とともに、鶏を食すことに禁令を出しました。
「人間も動物も平等」とする仏教の戒律が理由だったのです。
卵については食の禁令は出ていませんでしたが、食べると恐ろしい報いを受けるという「因果応報」の恐れより卵を食べる事を避けてきたようです。
一般的に、タマゴを食べるようになったのは、江戸時代に入ってからのことです。
ただタマゴ売りも出てきたものの、まだまだ庶民には手の届かない特別な栄養食で高嶺の華といえる存在だったようです。
今ではどこの家庭の冷蔵庫にも常備されている卵!普及してきたのは昭和30年以降のことです。
この時代は食生活に対する日本人の意識が大きく転換し栄養改善普及運動も盛んになり、
食生活の欧米化が一気に促されて、数々の栄養素の中でもタンパク質やカルシウムが重要視され、
肉・卵・牛乳・乳製品を積極的に食べることが推奨されました。
その時に、「タンパク質が足りないよ」をキャッチフレーズに、特にもてはやされたのがタマゴでした。
その甲斐があって今では多くの家庭で卵が並ぶようになりました。

一方で諸外国はどうだったのでしょうか?
エジプトの古文書によれば、紀元前1500年ごろには、すでに鶏が毎日産卵していたという記録が残っています。
この記録は、野鶏が産卵期に通常5個~10個程度のタマゴしか産まないことから考えると、当時すでに鶏が採卵用に品種改良されていたことを物語っています。

また、ローマでもタマゴを多く産ませるために鶏の品種改良が2500年前には始まっていたという記録も残されています。その後、鶏は鳴き声や尻尾の長さを競うといった観賞用としても飼育され、商業用の採卵用養鶏が始まるのは1850年代のイギリスと言われます。

ちなみに仏教文化に影響を受けた日本と異なり、キリスト教文化に影響を受けた国ではタマゴは昔から食卓で活躍していました。タマゴとキリスト教はとっても深いつながりがあるとされています。 
キリスト復活を祝う「イースター」の行事は卵が主役のお祭りですし、
キリスト教での「生命と復活の象徴として卵を祀る」行事は、欧州中にあります。

ただ「キリストの復活祭」がなぜ「イースター」なのかというと、
「イースター」は英語での呼び名で、ゲルマン神話の春の女神「エオストレ(Eostre)」から来ているのではないかと言われているそうです。ゲルマン神話が出てくると言う事は純粋なキリスト教のお祭りではなさそうですね。

ちなみにゲルマン神話はキリスト教化される前のゲルマン人の信仰に基づく諸神話の総称です。
北欧神話(スカンディナビア神話)、アングロ・サクソン人の神話、大陸ゲルマン人も含まれます。

単純にキリスト教とタマゴが縁が深いとは言いきれなさそうです。
とは言え日本に西洋文化が入って来たタイミングがタマゴ料理が普及してきたのは否めない事実かと思います。

この辺りの謎も探っていくと更に世界の奥深い秘密が分かるかもしれませんね。
卵は生き物の誕生の源ですが、卵の食の歴史をたどると世界誕生の秘密も明かせる様な気がするのは気のせいでしょうか?

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